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毒親からの解毒日記

自己中心的で「暴力はしつけ」タイプの父、浪費家で「私は悪くないわ、気が付かなかっただけ」タイプの母に育てられ、子持ちになって初めて自分の中にあった親からの毒に気が付いたアラサー女の独白です。

セルフカウンセリング開始 はじめに

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セルフカウンセリング開始 はじめに

まず、私が今までに書いてきた虐待の数々について、小さいころから認識はしていたものの、それが自分の性格であったり、考え方であったり、生き方であったりに影響を与えているとははじめは考えていなかった。
ただ、ひたすらに生きづらかった。ほかの人が自然にできることができない。自分がいつも間違った場所・間違った時間軸にいるような気がする。間違った人生に生まれてきた気がする。この世界には私の生きる場所がないと思っていた。
あまりの生きづらさに、自分はADHDかアスペルガーなのではないかと思っていた。社会不適合者か、とにかく目にはつかない頭の障害を抱えているんだと思った。でも、オンラインで受けられるADHDテストのスコア、アスペルガーの簡易診断では、少し傾向はあるかもしれないが一般人の反中だった。おかしいと思った。だって、他の「一般の」人はもっと楽そうに生きている。それとも実は一般の人も私と同じくらい生きづらくて、息をするのもしんどくて、この世界に生まれてきたのが間違いだと感じながらも気丈に楽しそうにふるまっているの?
そういうつらさは誰でも抱えていて、私が一般人より精神的に打たれ弱いからそのつらさを我慢できないだけなの?

希死念慮が27歳の時これ以上ないほど強くなって、ビルを見れば屋上に登れるビルなのかどうか、車に乗れば一番迷惑がかからない死に場所はどこか、どう死ぬかを考えるようになったとき、心療内科にかかった。これは誰に勧められたわけでもなく、ただ理性が「生き物の本能は『生きること』だ。その本能を無視してまで死にたいと思うのは脳の病気だ」と思ったからだ。親は私の精神状態が普通ではないことを理解したが、最後まで私が心療内科にかかるのを渋ったので、親の意見を聞かなかったことにして勝手に予約を入れて通院を始めた。

もともとは、その時の職場でやはり浮いていたのと、事務所の所長とのセッションができず、仕事のできない年増社員としていじめられたことによるうつ状態がきっかけでの希死念慮だったので、その時の診断は「抑うつ状態」だったが、さっさと診断書を取ってその会社を辞め、その後半年ほどソーシャルワーカーの人と1,2時間ずつ面談していろいろと話をするうち、問題は会社ではないことがわかってきた。
私がその会社に勤めて精神を壊しても、両親は辞めていいとは言わなかった。離婚の時もそうだった。帰ってきていいとは言わなかった。そのくせ、父が体を悪くしたとき、伯母が入院したとき、母が入院した時の世話は私に求めた。私を受け入れてくれないくせに、介護要員としてはあてにする家族の像に違和感を覚えた。彼らは私の都合や心を完全に無視する。でも、無職は人聞きが悪いから、バツイチは世間体が悪いから、だからお前の体や精神状態はどうあれ、体面の悪いことはしないでくれ、というスタンスなのだ。
そしてこのとき、なんと実家には、すでに数年前に嫁に行って年に一度帰ってくるかどうかの姉の部屋はあったが、去年結婚してすぐに出戻ってきた私の部屋はなくされていて、本や母の服が放り込まれるスペースになっていた。そのことについて、ソーシャルワーカーがずばり「それはおかしい」と言ってくれた。そんな家、出た方がいい。あなたは自分でちゃんと仕事も見つけられるし、頭もいい、人柄もいい、しっかりした意思のある人だ。あなたの両親が戻ってこないお姉さんの方を大事にするのなら、両親の面倒はお姉さんに見させたらいい。あなたが苦労することはない。あなたは独立して自分の足で生きていける人です。

手に職のなかった私は、このソーシャルワーカーさんに「看護師になるために看護学校に行こうかと思っている。そのことを姉にちょっと言ったら、『おたんこナース』の影響でしょ、あんたは漫画からしか知識がないと言われた。昔から姉はそうで、私が漫画に描いてあった熟語や慣用句を持ち出すと、漫画からの知識しかないと馬鹿にする。看護師になったら一生言われる」と言ったところ、ソーシャルワーカーさんは、「それがどうしたっていうんですか、漫画の影響で看護師になるってそんなにだめなことですか?」と言った。何かをすることに理由があったとして、10人中7人がその理由に納得しなかったとしても、3人くらいは「まあそんな理由もありだよね」と思ったのならそれは立派な理由なんじゃないか。漫画に触発されて何かに取り組もうと思うのは立派な理由になる。

結局私は看護学校に行く前に就職口を見つけて、看護師にはならなかったのだけど、このソーシャルワーカーさんとの面談はものすごく大きかった。私の抱えている問題が、「私の」問題ではなく、「私の家族の」問題だということに気づかせてくれた。

でも、子どもを産む前は、毒親だと姉から言われ、ソーシャルワーカーさんから家族のゆがみを指摘されても、自分は許しているつもりになっていた。こうして大きく育ててももらったんだし、父も母も忙しかったし、若かったんだ。私も悪いところがあったし、もともとの性格もよくないから仕方がなかったんだ。

子どもを産んで、なんてかわいいんだ、と思った。この子のためにはなんでもしてやりたいと思った。夫も明るい良い男だった。
子どもが5か月くらいになったある日、テーブルの上の熱い茶碗に子供が手を伸ばした。私は反射的に子どもの手をパチンと叩き、それを制した。夫はそれを見て、「叩いちゃダメだよ!」と言った。びっくりした。夫もびっくりしていた。夫はしつけでも叩かれたことは一度もなかったらしい。私はしつけ=少しは叩かないといけないと思っていたので、逆に夫の反応にまたびっくりした。自分がバンバン叩かれていたので、叩くことに抵抗がない自分にもぞっとした。
軽くたたいただけだったので、子どもは何が起こったのかわからなかったらしく、キョトンとしていたが、見れば見るほどかわいかった。私がされたように殴るところなんか想像できなかった。姉の子供のおさがりの服を着せた。シミがついていて汚かった。新しい服を買って着せた。
ぼろぼろの服を着せることなんかできなかった。
夫は子どものためならつらくても働けると言った。夫は家に帰ってきて子供と遊び、私と話をし、二人で笑った。子供も一緒にニコニコした。子供が大きくなったらどんな習い事をさせよう?やりたいということをさせてやりたい。この子に一番いいと思うことをやらせてほしい。お金なんか惜しくない。自分が服を買えなくても、体型さえ変わらなければサイズが変わるわけでもなし、なんとかやっていける。自分の食べ物を一品減らしても、この子におなか一杯食べさせたい。

うちの親は?私に「育ててやった金を返してほしい」と言ってくる父、ボロボロの服を着ている娘に気が付かず、いつも自分が悲劇のヒロインの母。

ハタと自分がやられてきたことと、今私が自分の子に対してやりたいこと、していることのギャップに気づいた。そして激情が腹の底から湧き上がってきた。まさにマグマのような激怒だった。憤怒だった。
でもこの時はまだ、夫には親が毒であり、自分が噴火しそうなほどに怒っていることを言わなかった。自分の中だけで処理すべきと思った。

ある日、夫が同僚との気楽な食事会に参加した。私は子どもと家にいた。食べ放題の食事会だったので、夫は腹がはちきれんばかりに食べてきた。そして家に帰ってくるなりゴロ寝を始めた。まあ、消化したら元気になるだろうと思って放っておいたら、夫が「大丈夫?とか言えないの?」と言った。
私はその言葉で今度は夫に対する怒りが一気に噴出した。私は「わーーー!」と雄たけびをあげると、「なんでのうのうと楽しいお食事会に行って食いすぎたあなたを心配しないことで私が気が利かないみたいに言われないといけないの?私は毎日あなたのことを思って食事にも気を使ってるし、寝不足でも起きて毎朝お弁当を作ってる。洗濯もしてあなたのシャツにも全部アイロンをかける。それであなたの体の心配や普段の感謝を表してたつもり。それなのにあなたは自業自得で消化不良になってるのを心配しなかったことを責めるの?ふざけないでよ!!」とばーーーっと夫に向かって一気に叫び、燃え尽きた。
本当に一切の家事をやる気がなくなってしまったのだ。

やりたいのは子どもの世話だけだった。食事の用意も皿洗いも洗濯も(掃除は夫の担当)、何もしたくない。むしろできない。夫は私のただならぬ様子に、一日休みを取ってすべての家事をし、私の話を聞いてくれた。
その時、私は両親が毒であること、現在毒両親の所有する家を借りているため、毒親が月に2回はやってくるが、そのたびに私は過去の虐待の数々を思い出し、発狂しそうなほどストレスを受けることをかいつまんで話した。そしてカウンセリングであったり、エクセサイズであったりをして、ちゃんとこの精神的な嵐を乗り切らないといけないと思う、と。
夫は心療内科に行ってカウンセリングを受けるのはしぶった。
そこで、私は毒親に悩む人たちのブログや記事を読み、自分のこのADHDのような障害は愛着障害の可能性があること、そして、癒せる可能性があることを知り、できることをやろうと思った。

私は、「アダルト・チルドレン 癒しのワークブック」を購入した。そして、これからこのワークブックのとおりにやってみようと思う。

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