次のワークは、自分自身に手紙を書くというもの。
その目的は、本(アダルト・チルドレン 癒しのワークブック)から引用すると、「アビューズを経験したのは自分のせいではなかったことを認め、心の傷を持つ自分を責めてきた自分を許し、良いところも、悪いところもある自分を受け入れること」。
インナーチャイルドにあてた手紙でも、今の自分にあてた手紙でもよく、いたわりの手紙を納得するまで書くこと。
私はとりあえず、昨日のインナーチャイルドの自分がかわいそうだったので、インナーチャイルドの私にあてて書いてみることにした。
トリちゃんへ。
トリちゃん、元気にしていますか。寒くはありませんか?
下着は足りていますか?洗濯はしてもらえていますか?
ごはんは食べきれていますか?おいしいですか?
こっそり下着を何日も着たりして、恥ずかしかったでしょう。お洋服も何日も同じのを着て、お姉ちゃんのおさがりばっかりでつらかったね。お姉ちゃんと全然好みが違ったんだものね。
お友達みんなに嫌われてるよって言われてほかの人と遊ぶのが怖くなったんだね。でも、楽しく遊んだらまた好きになってくれるかもしれないし、気にしなくていいことです。お友達からいただいたお洋服、着たかったね。お母さんから話も聞いてもらえずに怒られてかわいそうだった。お友達にも悪かったよね。いつもお母さんは撮りためた2時間ドラマを見る方をトリちゃんの話を聞くことより優先させたね。それはトリちゃんが2時間ドラマより価値がなかったからでもないし、トリちゃんのお話がつまらなかったからでもないよ。それはお母さんがお母さんとしての仕事をしたくなかっただけよ。
お父さんがトリちゃんばっかり殴ったのも、トリちゃんが悪いんじゃなくて、トリちゃんが一番小さくて弱かったからよ。お母さんもお姉ちゃんも、みんなトリちゃんが一番小さくて弱かったから、トリちゃんに八つ当たりするの。みんな弱い人なのよ。
だから、家族がトリちゃんのことを仲間外れにしたり、世話をしてくれなくても、それは全くトリちゃんのせいじゃないの。必死に好かれようと思って、他の家族の前でおどけて見せたり、世話を焼いたりしなくていいのよ。あなたは何の心配もなく、安心してご飯を食べ、服を着替え、眠る権利があります。ビクビクしなくていいし、他の人の顔色を窺わなくていい。ほしいものをほしいと言っていいし、好きな服を着ていい。お金が減ることを考えなくてもいい。
あなたは想像力豊かで、自分で問題を解決する力のある、誰にもコントロールされる必要のない一人の人間です。自信をもって、成長していこう。くれぐれも、無理はしないように。
この後、自分の体から白い光が出て体の隅々を照らし、癒すイメージをしながら、「自分を責めてきた自分を許す」「自分をいたわる」「自分を育てていく」とすんなり受け入れられるようになるまで瞑想する。
このワークをして、意外と自分あての手紙が浮かばないことで困った。
たぶんまだ私の中で、何に一番傷ついたのかわかってなかったんだと思う。
でも、「昔の自分、かわいそうだったなあ、ひどいめにあったなあ、お疲れさまだよ」と思うことはできるようになった。なんというか、これまでそういう虐待環境にあって、ドブネズミのように狡猾に、コソコソと姑息に生きてきたという自己イメージだったのだけど、そうじゃなくて、そういう生き方をさせられてきていたんだ、と思えるようになったのはよかったと思う。
自分の根本が、性根が汚くて歪んでいたんじゃないんだな、と。