子どものための定期預金が満期になったので、新しく定期を組みなおすことになった。
夫と相談して、もう少し金利が良い定期に組み替えることにし、今日、その商品を出している銀行に行ったところ、またしても毒親の影がかかった。
子どものための定期は、夫の名義にしていた。子供の名義にしてもよかったのだが、子どもの身分証を持っていくのが面倒だったし、子供のためという認識があれば、夫名義でも私名義でも問題ないからだ。今回は、私が作りに行くので私の名義にすることになった。
そこで手続きを申請し、30分ほど待ったころ、トリ様、申し訳ございません…と行員から声がかかった。
手続きが終わったのかと思ったら、そうではなく、かなり昔に作られたと思われる私の口座が残っており、その口座の住所・氏名変更が終わらない限り、新しい口座を作ることができないのだという。そしてそのためには、通帳と印鑑が必要だと。
私はハタと思い至った。その銀行は、私自身では一度も口座を作ったことはない。しかし、居住地ではもっとも大きい地方銀行であり、小学生のころ、月々学校で行われていた積立金が振り込まれる口座に設定されていても不思議ではない。
そしてその積立金は、私が地元に帰ってきたときにたまたまその私名義の通帳を発見し、父から「俺の飲み会の金にしてるから」と言われたものだ。その通帳はその後、父母によって隠され、今も私の管理下にはない。通帳も手元にないし、印鑑もどの印鑑なのかわからない。
つまり、私はこの銀行で口座を開設することはできないのだ。
かなりショックを受けたし、夫の仕事の都合上、いずれこの地方に定住することが決まっているので、この最も大きな地銀で口座を作ることができないのは手痛い。県内のどこに就職しても、たいていこの銀行に口座を作らなければいけないだろう。
私は「こんなところで親に苦しめられるのか…」と脱力した。
結局一度家に帰り、子供の身分証明書をもって再び並びなおし、また小一時間待って子ども名義の定期口座を作ることができた。行員の皆さんがとても丁寧で親切だったのが救いだ。
解決策として、口座を解約する、というものがある。本人であれば、口座の通帳や印鑑を紛失していても解約することができる。
ちょっと手間だが、今後はその手続きを進めていきたいと思う。
しかし、この件でまた私のための積み立てと言いつつ酒代の口座として使っている親への呪詛が湧き上がってきた。解毒というのは本当に難しい。親が死ななければやはり呪いは解けないのかもしれない。