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毒親からの解毒日記

自己中心的で「暴力はしつけ」タイプの父、浪費家で「私は悪くないわ、気が付かなかっただけ」タイプの母に育てられ、子持ちになって初めて自分の中にあった親からの毒に気が付いたアラサー女の独白です。

閑話休題

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閑話休題

セルフカウンセリングを続けてきたが、なんと次の章が早くも「相手を許す」というゾーンに入ってしまい、今はまだ許せるほど怒りが収まっていない、というかまだ怒りが折に触れこみあがってくる状態なので、ちょっとお休み。
そこで、最低な心理状態だった私を救ったものについて書こうと思う。

一番心理状態が悪かったのは、離婚してある事務所に就職し、孤立してしまった時だ。
このころ、希死念慮が強くなりすぎ、これは精神の異常だと理性が思って心療内科に通い、休職して静養しているときが人生最大の暗闇だった。
結局、休職一ヶ月にして職を辞し、それからは静養してアルバイトを始め、部屋を借り…と動いたのだけど、この休職中の精神状態たるや、周囲の景色がすべて灰色に見え、生きているだけでも住民税を支払わなければならず、何もしていなくても食事をし、風呂に入り、トイレに行くだけで水道代やら電気代、ガス代、食費がかかってしまうという現実に、背中に拳銃を突き付けられているような、死刑台に向かう死刑囚のような心もちだった。
親は当然ながら「娘の頭がおかしくなったが自分たちは悪くない」という姿勢だったので、そういう気持ちに一人で耐えなければならなかった。その精神的に最悪の時、ちょうど父と母とテレビを見ていて、「死にたがる若者たち」というようなテーマの番組がかかった。インタビューされているうつ病の人が、毎日死ぬことばかり考えている、生きているのがつらい、と話しているとき、あまりに自分の気持ちが重なって泣いてしまった。
すると、母だったと思うが、いきなり、この人は甘えてるんじゃない?と言い出した。食べてかなきゃいけないんだから、こんなのは甘えだ、食わせてもらって、住まわせてもらってるからこんなに甘えたことが言えるんだ、と。私は自分が言われているようで、泣きじゃくって夕食を拒否した。
死ねと言われた気がした。

でも、その翌日、母は職場のある家に帰り、父は仕事に行って一人になってからテレビをつけると、たまたま「こころの時代」か何かでお坊さんが映っていた。不思議な印象のお坊さんで、年齢がわからない。30代~40代くらいだろうとは思うが、35だと言われればそう見えるし、48だと言われればそうとも見えるような感じの人だった。何気なく見ていたが、そのお坊さんはかなり今時にしては珍しい厳しい修行を続けていることが語られた。山界での修行と、人界での修行を繰り返しているらしい。一年山の中で滝打ちや座禅の修行を積み、次の一年は都市部に降りてきて托鉢をする。山での修行が長くなると人の世界が恋しくなり、人にもまれていると山での修行が恋しくなる。山で孤独と戦い、人の交わりの中で俗性と戦う。
しかし、山の修行でも町の修行でも、結局は自分と向き合っているのだ、と。
孤独の中で自分自身と真正面から向き合う。人と接する中で、自分と客観的に向き合う。
そうする中で、一つ分かったことがあると言う。
昔は、特に下界での修行の中で、10人の人に出会ったとすると3人くらいとはどうしても仲良くできなかった。そのことに悩んだ。なぜ後の3人と仲良くできないのか?なぜ自分はその人たちを好きになれないのか?自分の修行が足りないのじゃないか。自分の心が曲がっているからじゃないか。
でも、山界と人界の修行を繰り返すうちに気が付いた。7人自分を好んでくれているのなら、それでいいじゃないか、と。10人いたからと言って、全員に好まれる、全員を好むことにこだわる、その方が愚かだ。何もしなくても3人とは合わない代わりに、何もしなくても3人とは楽しく時を過ごすことができ、4人は自分の働きかけ次第で自分を好んでくれる。それでいいじゃないか、と。

私はそれまで、10人いるうち3人が自分を嫌っているなら、他の7人が好きになってくれていても自分は嫌われ者だ、もう取り返しがつかない、と思ってしまうタイプだった。今思うと、その思いがせっかく離婚した後入った事業所での自分の居場所をなくし、大学でもせっかくの友人とのつながりを自ら切ってしまう要因だった。でも、このお坊さんの話を聞いて、ものすごくすとんと納得した。
そうだよね。どうがんばっても好きになれない人がいる反面、一緒にいるだけで楽しい人もいる。そのことで自分を責めることはないし、そういうものなんだね。

このお坊さんがどこのお寺の人だったのかもわからないけど、この番組をたまたま見たおかげで、私は前日に母からかけられた呪いをなんとなく薄めることができ、生き延びることができた。
こういう偶然がある限り、私は死ぬわけにはいかないのだ、とも思った。予期しないところから予期しない形で生きる希望がもたらされる限り、私の死ぬときではないのだと。

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